転職を考えるにあたって、おすすめとされているのが『転職の思考法』。
僕も、転職を考えるにあたり、まずこの本やmotoさんの『転職と副業のかけ算』を読んでみたのだ。そこで今回は、改めてこの『転職の思考法』のレビュー・書評を書いていきたいと思う。
結論から言うが、これからを生きる若い社会人にとっては必読の一冊だ。
また、30代や40代の人にとっても、どういった考え方で転職をしていく必要があるかが書かれているので、是非読んでほしい。
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目次
1.『転職の思考法』の著者と概要について
①著者は誰?どんな人が書いている?
②概要を簡単に紹介
2.【レビュー】『転職の思考法』の感想。転職本おすすめ1位とされる理由を考察
①市場価値と、出世やキャリアの積み方
②転職先の選び方、転職エージェントの使い方、直面する具体的な場面への対処
③本書に込められた著者のメッセージ
1.『転職の思考法』の著者と概要について
まず、『転職の思考法』の著者と概要について簡単に紹介していく。
①著者は誰?どんな人が書いている?
まずは、著者の方の名前と経歴がコチラ。
北野 唯我(きたの ゆいが)
兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。就職氷河期に博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。その後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年、ワンキャリアに参画。現在ワンキャリア取締役。
大手代理店の博報堂に入社し、外資系コンサルタントのボストンコンサルティングに転職。その後、実業家へ転身している。
著書自身も、2度の転職を経ており、その経験からこの本を書いているのだ。
そして、驚くべきことに年齢は30代前半と、まだまだ若いのである。
②概要を簡単に紹介
次に概要を紹介していく。まず、この本がコンセプトとしているのは、
転職に必要なのは、「情報」ではなく「思考法」
というところだ。
転職をするにあたり、多くの人がとりあえずと転職エージェントに登録し、次から次へと企業を紹介され、情報の海におぼれてしまう例が跡を絶たないと言っている。
そのため、重要なのは情報を判断するための「思考の軸」であるとし、例えば
転職ではどういった業界を選ぶべきか
20代、30代、40代でどういったキャリアを作るべきか
伸びるマーケットの特徴はなにか
転職先の会社はどう見極めるべきか
といった考え方が示されている。そして、内容はストーリー形式で記載されており、主人公の感情や行動を追うことで、わかりやすく、読みやすい一冊になっている。
2.【レビュー】『転職の思考法』の感想。転職本おすすめ1位とされる理由を考察
では、実際に読んでみた感想をレビューとして書いていきたいと思う。
まず強調しておきたいのは、この『転職の思考法』は、
転職者はもとより、会社員全員、とりわけ20代は是非とも読んでおきたい本
であると感じた。
なぜなら、転職の具体的なハウツーも書きながら、会社員としてどう振る舞っていくべきかがかかれている。具体的には、キャリアの歩み方、能力の高め方など、示唆に富む内容が多いのだ。
転職者はもちろんのこと、会社員として目を通しておきたい内容だ。
自分でも、もう少し早い段階でこの本に出会えたら良かったと思っている。
では、僕の中でどんなところが良かったか、ポイントを絞ってお伝えしたい。
①市場価値と、出世やキャリアの積み方
この本では、冒頭に「大企業サラリーマンの悲惨な結末」の例が書かれている。
大企業でなんとなく20年働いていたが、業績不振により、転職をせざるを得なくなる。
深い専門性は身についておらず、それでいてプライドは高い。
転職は失敗し、年収ダウンを覚悟して小さな会社に飛び込むが、大企業ほど環境が整っておらず、肩書も通用しない。
結果、思うような活躍もできず、1年と持たずに退職。
前の会社の同期会にも顔を出しづらくなった結果、人知れず、都心から消えていった・・。
思わず、自分は大丈夫だろうかとヒヤッとした。
ここ最近はSNSや色んなところで言われているが、会社員も、"市場価値"を高める努力をする必要がある。
なぜなら、終身雇用は時代錯誤で、職の保証はどこにもないからだ。
「終身雇用守るの難しい」トヨタ社長が“限界”発言(19/05/13)
では、どういった風に市場価値を高めていくべきか、この本には3つの軸として書かれている。
20代・30代・40代といった年齢別でどういった軸を伸ばすべきなのか、
はたまた転職においてどういったポイントが評価されるのかが書いてある。
この評価されるポイントというのは、転職に限ったことだけでなく、今いる会社での出世でも似通っているもののはずだ。
こういった点で、勉強になることが多かった。
②転職先の選び方、転職エージェントの使い方、直面する具体的な場面への対処
次は、転職にあたって直面する内容についてである。
転職を経験してきた筆者だけあって、どうやって考えるべきか、どう対処していくべきかが詳細について書いてある。
転職先として選ぶ業界は、こういった特徴があった方が良い
良いベンチャーを見極めるにはこの3つのポイントを抑えた方がよい
転職エージェントには、どこが評価されなかったかを聞く
転職後期に生まれる「今の会社に残っても良いかも」という迷い
こういった役立つ具体的な事項が、たくさん書かれている。
転職を考えてから、その後に至るまで、具体的なハウツーとして多くが書かれているため、これらを抑えておくだけで、有利に転職を進めていくことができるだろう。
③本書に込められた著者のメッセージ
そして、著者のメッセージとしてこう書いてある。
「なぜ、この本を書いたのか?」と問われたら、私はこう答えます。
すべての働くひとが「いつでも転職できる」という交渉のカードを持てば、結果、今の職場も絶対によくなると確認しているから。
本文のなかでしばしば出てきたように、私はすべての働くひとが「いつでも転職できる」という交渉のカードを持てたとしたら、この国は変わると本気で信じています。
日本の社会問題としても挙げられているが、過労やうつ病で大変な思いをしている人がいる一方、会社にぶら下がっている中年社員も存在する。
外国と比べて生産性が低いと言われている中で、どうにか国を良くしたい、という著者の思いを感じられた。
「転職の話を社内ですること」がタブーとして扱われることが多いが、このタブーを破壊することで組織や社会にポジティブな影響を与えたい、という思いに共感できたし、若い世代からこういった変化をもたらさないといけないと思う。
3.「『転職の思考法』の感想」まとめ
ということで、『転職の思考法』の感想・レビューとして記載をしてきた。
転職をするにあたって必要なのは、「情報」ではなく、その情報を判断するための「思考法」というコンセプトのもと、その考え方を掴むことができる良い本であると思う。
また、仕事や人生捉え方を学べる一冊でもある。転職を考えている人は是非読みたい本であるし、会社員として働く人にもオススメしたい。