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【スピーチ動画】イチローの英語力は?ペラペラだけど話さない理由と見習いたい一流の考え方

イチロー

元シアトル・マリナーズ選手であり、現会長付き特別補佐兼インストラクターであるイチローが、英語でスピーチを行った。

球団に貢献し、大きな功績を残した人物に贈られる「フランチャイズ・アチーブメント賞」を授与したためだ。

イチローが英語を披露するのは珍しく、インタビューや記者会見では通訳を介した姿をよく見るだろう。

今回は、そのスピーチの内容をお伝えするとともに、なぜイチローは英語がペラペラであるにも関わらず、話さないかをご紹介する。

もちろん、そこにはイチローのプロとしての流儀があるのだ。

1.イチローの英語力は?ペラペラだけど英語を話さない理由とは

イチローの英語がペラペラであることは有名な話である。2001年にアメリカへ渡り、15年以上が経過している。

チームメイトとも英語で話すし、冗談を言い合っているのもよく見る光景だ。

しかし、インタビューや記者会見を見ると、通訳を介して受け答えしている。

何故、イチローは自分で英語を話さず、通訳越しで喋るのだろうか。

その理由は、過去にインタビューでこんな風に答えている。

僕がインタビューを受ける時、おそらく人々は僕が何かについてどう感じたかだとか、僕の意気込みを知りたいからで、僕が英語で話すのを聞きたいわけじゃない。自分の野暮ったい英語で答えたら、要求に応えられないかもしれない。

もしかしたらその瞬間は楽しいかもしれないけれど、僕の考えが知りたくて彼らは聞いてきているのだろうと信じているので。母国語で返答したほうが、自分をちゃんと表現できて良いんです。

イチローくらい有名で一流の選手になると、少しの解釈の違いで、メディアに全く違うように捉えられてしまうこともあるだろう。

"自分をちゃんと表現"することにおいても拘りを持つ。イチローの記者会見を見ると、それがよくわかる。

2.「フランチャイズ・アチーブメント賞」のスピーチ動画と全文

それでは、2019.9.15に行われた、「フランチャイズ・アチーブメント賞」のスピーチ動画をご紹介しよう。

日本語訳

ありがとうございます。私はとても緊張しています。さて、始めましょう。
ディー、ユーセイ、今夜は泣かないように。泣かないように。

これは幸せな機会です。あの夜私が東京で引退したとき、シアトルの素晴らしいファンがそこにいなかったので、私は不完全な気持ちでした。今夜、シアトルの皆さんの長年の感動的なサポートに感謝を示したいと思います。

私が2001年にシアトルに来たとき、それまで日本から来た野手は1人もいませんでした。あなた達が獲得したのは、小さくて細い、27歳の選手でした。あなた達が私を受け入れないあらゆる理由がありました。

しかし、あなた達は両手を広げて私を歓迎し、私が立ち去って戻ってきたときでさえ、あなた達は決してそれをやめませんでした。 2018年に復帰する機会をもらった事にとても感謝しており、その理由はあなた方、ファンです。

シアトルの皆さん、ありがとう。

また、ニューヨーク、マイアミ、そしてプレイヤーとして訪れた、多くの場所で私を支えてくれたアメリカ中のファンにも感謝しています。

野球は本当にアメリカの国民的な娯楽であり、このゲームをとても愛し尊敬している人々の前でプレーできてとても嬉しかったです。私がこれまでに知った中で、最も偉大な選手達と野球をすることは名誉なことでした。

彼らは私のゲームをより高いレベルに引き上げるきっかけになりました。今、私はチャンピオンシップをもたらす若くて才能のあるプレーヤーと一緒に時間を過ごすことができ、嬉しく思います。

20年という年齢の違いは言うまでもなく、言語と文化のギャップにもかかわらず、私は彼らと一緒にいることを楽しんでいます。なぜなら、私が大好きな、彼らの持つゲームへの情熱は本物だと感じているからです。

私のキャリアを振り返った時、誇りと言えるものがあるとすれば、それは私が2001年の最初から2019年の最後まで、毎日、困難を乗り越え、毎日同じ情熱を持っているということです。

長いシーズンの終盤に入った時、すべてのプレイヤーはプロであることの意味を思い出す必要があります。これらの最後の日も、最初の日やその間の日々と同じくらい重要です。

毎日、同じ情熱を持ってビジネスに取り組む必要があります。その情熱は、あなたのパフォーマンス、及びこの特別なゲームを楽しみに来るファンに与えることができる最高の贈り物です。

シアトルマリナーズ、私が愛するようになった都市で私が愛するゲームをプレイする機会を与えてくれたことに、私は永遠に感謝しています。また、私の家族にも感謝を示したいと思います。

さあ、野球をしましょう!

英語原文

Thank you. I am so nervous. Okay, let’s do it.
Dee(Gordon), Yusei [Kikuchi], no crying tonight. No crying.

This is a happy occasion. When I retired that night in Tokyo, I had an incomplete feeling because the great fans of Seattle could not be there. Tonight I want to express my appreciation to you for your touching support over the years.

When I came to Seattle in 2001, no position player had ever come from Japan before. The one you got was 27 years old, small and skinny.And I know, you had every reason not to accept me.

However, you welcomed me with open arms and you have never stopped, even when I left and came back. I was so grateful for the chance to return in 2018 and the reason is you fans.

Thank you Seattle.

I also appreciate the fans across America who supported me in New York, Miami, and even in many places as a visiting player.

Baseball is truly a national pastime in America and I was so happy to play in front of the people who love and respect the game so much. It has to be an honor to play baseball with and against some of the greatest competitors I have ever known.

They inspired me to raise my game to a higher level.Now, I have the pleasure of spending time with these young and talented players who will bring the franchise a championship.

Despite the language and culture gap, not to mention an age difference, of 20 years, I enjoy being around them because I feel their passion for the game I love is genuine.

As I look back to my career, if there’s anything that gives me pride, it is that I overcame the daily challenges and I have an equal passion for each day, from the first one in 2001 to the last one in 2019.

As we enter the final days of a long season, every player should remind himself what does it mean to be a professional. These last days are just as important as the first ones and all those in between.

Every day you need to go about your business with the same passion. That is the greatest gift you can give to your performance and to the fans who come to enjoy this special game.

To the Seattle Mariners organization, I am forever grateful to you for giving me the chance to play the game I love in the city I have come to love. Thank you also to my family for your endless support.

Now, let’s play baseball!

3.今回のスピーチで見習いたい、イチローの考え方

僕が感銘を受けたのは以下の部分だ。

 私のキャリアを振り返った時、誇りと言えるものがあるとすれば、それは私が2001年の最初から2019年の最後まで、毎日、困難を乗り越え、毎日同じ情熱を持っていたということです。

長いシーズンの終盤に入った時、すべてのプレイヤーはプロであることの意味を思い出す必要があります。これらの最後の日も、最初の日やその間の日々と同じくらい重要です。

毎日、同じ情熱を持ってビジネスに取り組む必要があります。その情熱は、あなたのパフォーマンス、及びこの特別なゲームを楽しみに来るファンに与えることができる最高の贈り物です。

あんなに偉大な記録を残してきたイチローが、"もし誇りとして言えるものがあるとするならば"と前置きをして言う。

"毎日の「積み重ね」の重要性、それを継続する情熱"

これがとても困難であることは皆、身にしみてわかる。

そして、野球がファンスポーツであることを常に考え、ファンのためにどうすべきかを説いている。そこに、プロとしての矜持を感じる。

4.イチローの英語力とまとめ

イチローが英語を話さない理由や、そこにあるイチローのプロとしての流儀を紹介した。

スピーチを見てもらってもわかるように、イチローは英語が問題なく話せるが、自分の言葉を正確に伝えることに重きをおき、まずは慣れ親しんだ日本語で表現する

また、スピーチの中であった見習いたい部分についても述べてきた。前人未到の記録を成し遂げてきた人間の考えや行動を見習いものである。

 

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