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『わたし、定時で帰ります。』にみる会社と制度の在り方

4/16よりTBSで始まったドラマ、『わたし、定時で帰ります。』が話題だ。

"残業しない"をモットーに生きる主人公を、吉高由里子が演じ、曲者ぞろいの上司や同僚たちの間で奮闘する物語である。近年の働き方改革といった法令・制度の見直しや、長時間労働/過労死が社会背景にあり、僕たち社畜の間では特に関心が高い。そこで今回は、1,2話を見て思った、自分なりの考えをまとめたいと思う。

グンジョー
社畜にとっては耳の痛い内容ばかりで、正直刺さる

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"残業しない"をモットーにする主人公と、取り巻く問題

主人公の東山結衣は、「仕事は命を懸けるものではない」という思いを持ち、誰よりも集中して仕事を終わらせ、プライベートも大切にする。1話では、出世に興味は無いが効率の良さで評価をされる主人公に、会社を休んだことがなく残業もいとわない同僚の三谷が噛み付くシーンがあった。また、2話では、産休から復帰した賤ヶ岳が、家族や同僚・部下、ひいては自分に無理をかけてでも結果を残そうとする姿があった。出産による休みが足を引っ張ると考えたからだ。

これを自分や周囲の環境におきかえて考えてみる。

自分の周りを見れば、やはり残業を全くしない人はほとんどいないし、残業する人が評価をされがちであると思う。周りの友人でも、上司が帰らないと帰れないという人もいる。こういった理由から、帰れるのに残業するという人が多いし、それを問題とする向きは少ない

https://twitter.com/7pHYIIGHTCJ208K/status/1122532121732501504

また、出産についてはどうだろうか。制度的には、(昨今は特に)会社側で出世に響かないような人事制度にしていると思う。しかし、現実問題は産休/育休後に出世・昇進に見合う結果が残せる人は少ないのではないだろうか。それも当然そのはずで、数年のブランク後に、すぐ仕事で成果を出せなんて到底ムリな話だ。その結果、出産後の女性の成果に見合わない仕事内容・出世・昇進に対し、周囲の目や風当たりが強いのもありがちな光景だと思う。出産をした、または出産を控えている女性に対し、それを補う自身の負担が増えるから、人事異動で来てほしくないという意見もよく聞く。

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会社個々の評価制度と社会制度の在り方について

こういった問題の大きなポイントは、①会社個々の評価制度②全体の社会制度、の2つにあると思う。

①については、出世・昇進させる人間をどう決めるかだ。上記のように、残業の多さやどれだけ上司に気に入られるかという評価軸はやめて、成果主義に切り替えるべきと思う。しかし、上司も人間で、自分の好きな人間を優遇してしまうのも心情としてはわかる。が、しっかりとそこは割り切り、360度の評価制度で権力が集中しないようにするのが良いと思う。既存のマネージャーにとっては、自分の権力が落ちることになるので、中々やりたがらないだろうが、推し進めるしかない。

②は、雇用制度の話だ。産休・育休や、時短勤務の女性の仕事のしわ寄せが来るというのも一理あるのだろう。誰だって、自分よりプレッシャーや責任が少ない仕事をしている人(極端に言えば新人とか)が自分と同じ給料をもらっていたら、文句を言う。そこで、残した成果がきちんと評価されやすいように、社会の制度として解雇規制緩和を進めるべきと思う。そうすれば、成果の分だけ相応の給料をもらえるし、選択の自由も広がる。社会全体の仕事のポストが増えれば、妊娠した女性も元の会社に固執する必要もない。
ちなみに、僕の会社も、昇進はあっても降格なんて不祥事でも無ければ実質ない。降格するという可能性があれば、セクハラやパワハラも減り、コンプライアンスがより遵守されるだろう。

自分自身の幸せとは?

主人公の結衣は、今の会社では定時に帰っているが、前にいた大手の会社では100時間を超える残業もこなしていた。しかし、倒れたことや、恋人のワーカホリックな状況が生んだ縁談の破談をきっかけに仕事をやめ、今の職に就いた。自身の幸せが給料ではないことに気づき、環境を見直した。

https://twitter.com/fraI4k7IOLnMiEc/status/1120891775827107840

しっかりとした会社の制度、社会の制度が整えば、ドラマの登場人物たちも納得のいった、より豊かで幸せな生活と仕事ができるのではないかと思う。僕が述べた提案も様々な課題はあるだろうが、一人一人の意識が変わればより実現に近づくはずだ。

この歳になると、仕事や結婚に至るまで、改めて自分自身の幸せとは何なのかを考えることが多くなる。あまり他者との比較に固執しすぎず、自分の幸せの理想像を描きたい。

まとめ

今回は、1,2話で出てきた人物のストーリーについて、考察してみた。生産性や幸福度が低いと言われている日本で、どうしていかなければならないか、ドラマを通して考えさせられた。引き続き、ドラマの動向をウォッチしていこうと思う。

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