会社員の皆さん、日々お勤めご苦労さまです。皆さんは毎月、給料から天引きという形で、社会保険料をわんさか御国のために納めていることでしょう。僕も給与から毎月、結構な額のお金が引かれているのを見て、「この払い続けている年金は果たして自分ももらえるのだろうか」と憂いているばかりです。
ちなみにですが、年金は賦課方式といい、年金支給のために必要なお金を、その時の現役世代の保険料にて賄う方式です。そのため、現在僕らが納めているお金を積み立て、その分が将来戻ってくる、ということではありません。お国が、その時々の物価や生活水準に応じて年金額を決めるのです。
ほら、こんな人工ピラミッドの国で、払い損する気しかしない!
引用元:「平成27年(2015年)国勢調査(抽出速報集計)」(総務省統計局)
さて、もしかすると見てくれている人の中には、学生さんや社会人になりたての人がいて、社会保険料についてよく知らない人もいるかもしれない。概要からお話しましょう。
1.社会保険料とは?
社会保険料とは、「健康保険」+「厚生年金」のことである。年金は自営業等だと異なってくるが、一般的な会社に勤めている場合、厚生年金となる。※雇用保険や介護保険もあるが、メインは2つとなるのでここでは省略
学生のとき、親から年間の稼ぎで103万円、130万円を超えないよう、口うるさく言われなかっただろうか?(ビンボーな僕ん家だけの話だったらスマン。)あれの内、130万円の方はこの社会保険料に関することである。130万円を超えると、親が払ってくれていた健康保険から外れ、健康保険と年金分を自分で払わなければならなくなる。ちなみに、103万円超えの方は、親の税金の控除がなくなるのと、扶養手当がなくなるため、親に迷惑がかかる分である。
2.保険料でどれくらいのお金を払うか
まずは、どれくらいのお金が取られるか見ていこう。1つ目の健康保険だが、会社によって料率が異なる。法律によって上限と下限が定めてられており、その範囲内で組合等の保険者が料率を決めている。ざっくり、約5%分が本人負担だ。本人負担と言っているのは、雇用元も折半で負担するため、合わせると約10%くらいを納めている。月々のお給料が25万円とすれば、1万3000円くらい。
続いて、厚生年金。こちらは、年度によって国が率を決めているものだが、皆さんご存知の通り、労働力人口に対する年金受給者が増えているため、率は上昇傾向にある。H31年度は、本人負担で9.15%だ。同じく、お給料が25万円とすれば、2万4000円くらい。
3.実際の保険料の決め方〜等級と標準報酬月額〜
率の話をしてきたが、実際には毎月の給与と率をかけわせているわけではない。実際には、「標準報酬月額」に応じて「等級」がきまり、これに応じて決まった額を1年間納めることになる。ざっくり説明すると、僕ら世代の平均的な給与だと、1万円〜2万円くらいの単位でレンジがあらかじめきめられており、平均的な給与額がどのレンジに属するかによって納める金額が決まる。例えば、平均的な給料が25万円だとすると、等級20と決まってくる。そして、等級ごとに、納める健康保険料/厚生年金がそれぞれ月にいくら、と決まるのだ。
4.社会保険料をできるだけ抑える
さて、ここからが重要だが、この平均的な給料(=標準報酬月額)がどのように決まってくるかというと、4,5,6月の3ヶ月分の給料の平均となる。ちなみに、この給料には、通勤手当や家賃補助等の各種手当てが含まれるのと同時に、残業代ももちろん含まれるのである。
何が言いたいかというと、会社の遠方に住んで定期代として交通/通勤手当をもらっていたり、社宅や寮ではなく家賃補助として手当をもらっていたりすると、社会保険料は高くなる。また、残業代に関しては、3,4,5月に残業した分が標準報酬月額の計算に組み込まれるため、残業した分、社会保険料も高くなる。そのため、3,4,5月に残業を多くすると、年間に納める保険料も高く納めなければならない。このことは、心に留めるようにしよう。
注意:
ただし、標準報酬月額に2等級以上の乖離が出る場合、随時改定といって標準報酬月額に見直しが入るため、3,4,5月だけ残業せず、他の月に残業しまくると随時で等級が見直され、それに応じた社会保険料を納める必要が出てくる。
まとめ:
というわけで、僕が今回伝えたかったことは、社会保険料についてよく知らなかった人は下記について気をつけよう!ということである。
- 会社の近場に住んで、定期代が安くなると社会保険料も安くなる
- 借上等の社宅や寮がある場合、そこに住んだ方が社会保険料が安くなる
- 3,4,5月の残業を少なくすると、社会保険料も安くなる
社会保険料について、正しく理解し、少しでも損をしないようにしよう。ちなみに、僕は会社に勤めてボーナスからも社会保険料が徴収されることを知った時は、正直発狂しそうになった。
「この幾ばくかのワシの寸志からも徴収すんのかよ。鬼かよ。」